ハイテク&カラー 大日精化工業株式会社

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人財育成・活用

大日精化グループでは、時代の変化とともに社会から求められる企業価値も変化していることを認識し、企業価値の向上と新たな価値の創出に向け、サステナビリティを意識したESG経営に取り組んでいます。
新たな価値の創出には、新たな発想が必要であり、それには“人の力”が不可欠です。人は価値を生み出す企業の財産であるとの認識から、大日精化グループでは「人材」ではなく「人財」と表現し、“人の力”を引き出し、“人を育成する”ことに尽力しています。全従業員が目標を共有することで、大日精化グループの成長と人財の成長との間に好循環を生み出し、エンゲージメントを高めていきます。

大日精化の経営戦略と人的資本、知的財産(知恵・経験・人脈)

当社グループの掲げる新3か年中期経営計画「明日への変革 2027」の基本戦略の実現に向けて、人的資本及び知的財産の投資と活用は、競争優位性を実現するイノベーションの創出に不可欠な取り組みです。必要な人的資本と知的財産の現状を把握し、企業文化としての定着促進などの視点を踏まえ、以下のような取り組みを行っています。

人的資本と知的財産の活用
経営戦略と人的資本、知的財産

新3か年中期経営計画「明日への変革 2027」に基づく手段と取り組み

新3か年中期経営計画「明日への変革 2027」に基づく取り組みは以下のとおりです。
各テーマの指標と目標は事業の状況を鑑み、適宜見直しを行ってまいります。

経営戦略:技術主導による競争優位性確保

実現のための手段 取り組み
  • 技術者の採用強化
  • 技術者の育成
  • 知財の獲得及び知財の市場ニーズへの展開
  • 研究開発費の強化
  • オープンイノベーションの取り組みの促進
  • 知財戦略の積極的展開

経営戦略:事業基盤強化のための海外事業の拡大

実現のための手段 取り組み
  • 海外営業力の強化
  • 外国人や海外駐在経験者の中途採用強化
  • 海外ビジネススキル向上の機会の提供
  • 多様性を認め合う企業風土づくり
  • 海外法人の経営能力の強化(育成)
  • 海外ビジネススキル・ノウハウの蓄積・継承

サステナブル社会の実現に向けたESG重視の経営推進

実現のための手段 取り組み
  • 労働安全衛生向上
  • 化学物質管理
  • ダイバーシティ&インクルージョン
  • ガバナンス体制の強化
  • 職場環境の整備とさらなる改善
  • 労働安全衛生の管理強化
  • IoT・DXを活用した労働生産性の向上
  • 年齢、性別、国籍、宗教に対する偏見を排除する社風の維持向上

経営戦略:HR戦略

実現のための手段 取り組み
  • 経営戦略と個人目標の連動
  • 評価・報酬制度
  • 人材育成のための研修制度
  • 社員が成長を感じられる環境整備
  • 納得感が得られる人事制度の拡充
  • 研修制度の拡充      
  • エンゲージメント調査の実施と公表
  • 社員の健康増進に向けた取り組みの拡充

人事制度について

当社グループは、新中計におけるHR戦略として、「イノベーションが湧き上がる活力に満ちた企業風土の醸成」を目指します。従業員一人ひとりが“働きがい”を感じながら目標に向かい自走できる力を養うため、制度改革を進めています。その実現に向け、多様な働き方を尊重しながら自己実現を可能にするキャリアパス制度、目標管理をベースとして人財育成のツールとして活用可能な人事考課制度、役割と貢献度を適切に反映する賃金制度などを軸とした人事制度を運用しています。

学生の採用・選考戦略

当社グループでは、「自ら考え行動できる人」「何事にも興味を持って取り組める人」を求める人物像として採用活動を行っています。採用活動時には適性テストを活用し、学生の特性や理想像を理解し、入社後のミスマッチ防止に取り組んでいます。さらに、選考の前後に従業員とのコミュニケーションの機会を設けることで、社風や風土をしっかりと伝え、具体的な活躍イメージを持って入社できるよう注力しています。

女性・外国人・中途採用者の積極的活躍推進

当社グループでは、2022年7月に「人権方針」を制定しました。採用や昇格においても人権の侵害を排除し、平等に活躍の場を提供しています。直近3か年の新卒採用者のうち女性従業員の割合は36%に拡大しました。女性従業員の配属数が少なかった営業部署や生産現場などへの登用の機会を広げるとともに、人事制度を見直し、働き方の多様性を確保することで、長期にわたり活躍する女性従業員が年々増えています。
また、「人財の化学反応」を早期に起こすことを優先するという観点から、性別、国籍、採用時期などの区別なく積極的に採用の機会を設けています。日常業務のスキル習得に直結したOJTやOff-JTの適切な活用、納得性の高い的確な人事考課制度と公平な昇格機会により、課長職以上の管理職に占める女性・外国人・中途採用者の比率を、2024年3月期の13.3%から2031年3月期には17%へと順次高めていきます。

新卒採用に占める女性従業員割合(国内グループ)
2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期
33% 26% 34% 40% 34%
女性従業員割合(国内グループ)
2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期
17% 17% 18% 19% 20%
管理職に占める女性・外国人・中途採用者の比率※1(国内グループ)
2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2031年3月期
(目標)
12.0% 11.0% 12.1% 12.0% 13.3% 17.0%
  • ※1 「女性・外国人・中途採用者に固執することなく優れた従業員を管理職に登用するべきであり、属性別に数値目標を掲げることはむしろ機会平等に反する結果になりかねないとの方針により、現状では、あえて、女性・外国人・中途採用者ごとの目標は設定していません。このため、女性・外国人・中途採用者を合計した数値で管理職登用の中期目標を定め状況をモニタリングしています。

表彰制度

当社グループでは、年に一度、大きな成果を出した事業や、大きな改善を行った取り組み、従業員の自発性から動き出したプロジェクトなどを、十分に審査の上、社長表彰を実施することにより、従業員のモチベーションアップを図っています。また、その成果を社内に紹介することで、全社的なモチベーション向上につなげています。

研修内容

当社グループでは、従業員一人ひとりの階層に応じた研修カリキュラムを実施しています。階層ごとの研修を積み重ねることにより、企業理念やコンプライアンスの浸透、従業員のスキルアップ、ステークホルダーとの信頼と責任感の向上につなげています。
また、早期にHR戦略の目標を達成できるよう管理職向けの研修を強化します。キャリアパス制度と組み合わせ、職階定義を理解し行動に落とし込むことにより、研修の効果の最大化を図っています。

2024年3月期の主な研修実績(国内グループ)
延べ受講人数 延べ研修時間 研修費用(税抜き)
個人研修 395名 3,718時間 5,337,664円
集団ハラスメント研修 533名 1,927時間 7,140,526円
小計 928名 5,645時間 12,478,190円
従業員1人当たり 2.53時間/名 5,593円/名

働きやすい職場環境

当社グループでは、「働きがい」「働きやすさ」双方の観点から職場づくりを推進することが、従業員の定着・活躍、生産性および業績の向上につながると認識しています。具体的には、定期的な上司との面談を通じて仕事の意義や重要性の再認識を図り、初期配属のミスマッチ防止のためのヒアリングや、異動希望の実現などに取り組んでいます。また、相談しやすい環境づくりや、メンタルヘルス診断の実施、休暇取得管理などを継続し、従業員が心身ともに健康的に働ける職場環境を整えています。

福利厚生

当社グループでは、退職慰労金として、基金型の確定給付企業年金と、会社から支給する退職一時金を導入しています。さらに、従業員選択制の企業型確定拠出年金制度や、財形貯蓄制度、従業員持株会などの施策を組み合わせ、従業員の資産形成に係る自主的な努力を支援しています。

従業員のエンゲージメント調査

当社グループでは、ストレスチェックの一環としてエンゲージメント調査を定期的に実施しています。新中計ではHR戦略としてエンゲージメントスコアをKPIとして設定しました。調査結果を基に、各組織に適合したアプローチ方法を実施していくことで、従業員の働きがいや満足度の向上を目指します。

労働組合

当社グループでは健全な労使関係の維持・向上に向けて、定期的に労使協議会を開催し、対話に基づく信頼関係の醸成に努めています(2024年3月期は8回)。労使協議会では、経営情報や職場課題の共有を図り、活発な意見交換を通して労働条件の改善を図っています。当社グループの労働組合加入率(労働組合への加入権がある従業員の加入率)は99.8%となっています。

ダイバーシティ&インクルージョン

多様な働き方への支援

従業員一人ひとりの理想とする働き方は、ライフスタイルやライフステージによって、変化するものと考えています。従業員が思い描く多様な働き方を尊重し、その働き方が実現できるように、以下のような各種制度を充実させています。

育児・介護制度

従業員が安心して育児や介護と仕事の両立が図れるように、育児および介護休業制度の取得を容易にし、短時間勤務制度やフレックスタイム制度の導入および、雇用環境の整備に取り組んでいます。2021年3月期には、育児フレックスの利用対象を子どもが小学4年生になるまで延長し、短時間勤務とフレックスタイム制度の併用を可能にするなど、より働きやすい環境になるよう制度を更新しています。また、2024年3月期には男性従業員の育児休業の分割取得制度を整備しました。さらに、男性の育児休業取得経験を社内展開することで、より取得しやすい風土づくりに取り組んでいます。2024年3月期の育児休業取得率は、男性71.8%(単体)、女性100%でした。短時間勤務およびフレックスタイム制度の利用者は延べ77名で、女性だけではなく男性の制度利用者も確実に増えています。


多様な働き方への支援

定年再雇用制度

長年の業務経験で得た技術や知恵の伝承( 継承)、人財活用とともに、定年が近づいた従業員のライフプランを支援するために、62歳の定年後65歳までの1年ごとに嘱託契約する制度を導入しています。2024年3月期の定年再雇用制度利用者は93名でした。従業員本人の希望と職場の状況を勘案し、65歳を超えても雇用を継続するケースもあります。

障がい者雇用

当社単体での2024年3月期の障がい者雇用率は2.07%でした。障がい者の適性を考慮し、今後も長期的就労の実現に努めます。