人財育成・活用
大日精化グループでは、時代の変化とともに社会から求められる企業価値も変化していることを認識し、企業価値の向上と新たな価値の創出に向け、サステナビリティを意識したESG経営に取り組んでいます。
新たな価値の創出には、新たな発想が必要であり、それには“人の力”が不可欠です。人は価値を生み出す企業の財産であるとの認識から、大日精化グループでは「人材」ではなく「人財」と表現し、“人の力”を引き出し、“人を育成する”ことに尽力しています。全従業員が目標を共有することで、大日精化グループの成長と人財の成長との間に好循環を生み出し、エンゲージメントを高めていきます。
大日精化の経営戦略と人的資本、知的財産(知恵・経験・人脈)
大日精化グループの掲げる新3か年中期経営計画「明日への変革 2027」の基本戦略の実現に向けて、人的資本及び知的財産の投資と活用は、競争優位性の確保を実現するイノベーションの創出に不可欠な取り組みです。必要な人的資本と知的財産の現状を把握し、企業文化としての定着促進などの視点を踏まえ、以下のような取り組みを行っています。
新3か年中期経営計画「明日への変革 2027」に基づく手段と取り組み
新3か年中期経営計画「明日への変革 2027」に基づく取り組みは以下のとおりです。
各テーマの指標と目標は事業の状況を鑑み、適宜見直しを行ってまいります。
経営戦略:技術主導による競争優位性確保
| 実現のための手段 | 取り組み |
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経営戦略:事業基盤強化のための海外事業の拡大
| 実現のための手段 | 取り組み |
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サステナブル社会の実現に向けたESG重視の経営推進
| 実現のための手段 | 取り組み |
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経営戦略:HR戦略
| 実現のための手段 | 取り組み |
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人事制度について
2025年4月に新人事制度を運用開始しました。制度改定の軸となるのが人事考課制度です。考課に対する公平感、納得感を高めるために考課項目の見直しを行い、新たに「行動考課」という評価軸を設けました。顕在的部分である「業績」のみではなく、能力(スキル)・知識・価値観のような潜在的な部分の現れである「行動」を評価することで、より公平な評価や育成効果を期待しています。また、それらの結果を処遇につなげることで、「頑張れば評価される制度」を運用します。人事制度改定は今後も継続して見直しを進め、イノベーションが湧き上がる活力に満ちた組織風土の醸成を目指します。
学生の採用・選考戦略
大日精化グループでは、「自ら考え行動できる人」「未来への道を切り拓ける人」を求める人物像として採用活動を行っています。応募者全員と必ず面接を実施する“人物重視”の選考により、一人ひとりの応募者の特性や価値観を理解し、入社後のミスマッチ防止に取り組んでいます。さらに、選考過程や内々定提示後に、既存社員や人事部と面談の機会を設けることで、社風やキャリアパス等を伝え、具体的な活躍イメージを持って入社できるよう注力しています。
女性・外国人・中途採用者の積極的活躍推進
大日精化グループでは、2022年7月に「人権方針」を制定しました。採用や昇格においても人権の侵害を排除し、平等に活躍の場を提供しています。直近3か年の新卒採用者のうち女性従業員の割合は37%に拡大しました。女性従業員の配属数が少なかった営業部署や生産現場などへの登用の機会を広げるとともに、育児休業制度などを見直し、ライフイベントに合わせた働き方の多様性を確保することで、長期にわたり活躍する女性従業員が年々増えています。また、「人財の化学反応」を早期に起こすことを優先するという観点から、性別、国籍、採用時期などの区別なく積極的に採用の機会を設けています。日常業務のスキル習得に直結したOJTやOff-JTの適切な活用、納得性の高い的確な人事考課制度と公平な昇格機会により、課長職以上の管理職に占める女性・外国人・中途採用者の比率を、2025年3月期の13.4%から2031年3月期には17%へと順次高めていきます。
| 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|
| 26% | 34% | 40% | 34% | 38% |
| 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|
| 17% | 18% | 19% | 20% | 21% |
| 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2031年3月期(目標) |
|---|---|---|---|---|---|
| 11.0% | 12.1% | 12.0% | 13.3% | 13.4% | 17.0% |
- ※1 「女性・外国人・中途採用者に固執することなく優れた従業員を管理職に登用するべきであり、属性別に数値目標を掲げることはむしろ機会平等に反する結果になりかねないとの方針により、現状では、あえて、女性・外国人・中途採用者ごとの目標は設定していません。このため、女性・外国人・中途採用者を合計した数値で管理職登用の中期目標を定め状況をモニタリングしています。
表彰制度
大日精化グループでは、年に一度、大きな成果を出した事業や、大きな改善を行った取り組み、従業員の自発性から動き出したプロジェクトなどを、十分に審査の上、社長表彰を実施することにより、従業員のモチベーションアップを図っています。また、その成果を社内に紹介することで、全社的なモチベーション向上につなげています。
研修内容
大日精化グループでは、従業員一人ひとりの階層に応じた研修カリキュラムを実施しています。階層ごとの研修を積み重ねることにより、企業理念やコンプライアンスの浸透、従業員のスキルアップ、ステークホルダーとの信頼と責任感の向上につなげています。
「キャリア研修」では、キャリアパス制度と組み合わせ、上位の職階で必要となるスキルを身に付け、アウトプットにつなげる研修を行っています。「品質向上関連研修」は、お客様に安心して製品をご利用いただくため、品質保証の実践と品質管理力の向上に必要な知識・スキルを習得する研修です。今後、人事制度変更に伴い、継続的に研修内容の見直しを行っていくため、今期よりこの2項目に関して情報を追記しました。
働きやすい職場環境
大日精化グループでは、「働きがい」「働きやすさ」双方の観点から職場づくりを推進することが、従業員の定着・活躍、生産性および業績の向上につながると認識しています。例えば、若手社員の定着に向けては、若手社員-配属先部署-人事部の三者によるコミュニケションシートを通して、初期配属以降3年間にわたり、若手社員へのサポートを継続的に行っています。また、指導員制度を導入し新入社員がスムーズに仕事・職場に馴染めるよう、心理的安全性を重視した関わり方を研修し、相談しやすい環境づくりや、従業員が心身ともに健康的に働ける職場環境を整えています。
福利厚生
大日精化グループでは、退職慰労金として、基金型の確定給付企業年金と、会社から支給する退職一時金を導入しています。さらに、従業員選択制の企業型確定拠出年金制度や、財形貯蓄制度、従業員持株会などの施策を組み合わせ、従業員の資産形成に係る自主的な努力を支援しています。
従業員のエンゲージメント調査
大日精化グループでは、働きやすい職場環境づくりのため、エンゲージメント調査を定期的に実施しています。本中期経営計画ではHR戦略としてエンゲージメントスコアをKPIとして設定しました。調査結果を基に、各組織に適合したアプローチ方法を実施していくことで、従業員の働きがいや満足度の向上を目指します。
労働組合
大日精化グループでは健全な労使関係の維持・向上に向けて、定期的に労使協議会を開催し、対話に基づく信頼関係の醸成に努めています(2025年3月期は8回)。労使協議会では、経営情報や職場課題の共有を図り、活発な意見交換を通して労働条件の改善を図っています。大日精化グループの労働組合加入率(労働組合への加入権がある従業員の加入率)は98.9%となっています。
ダイバーシティ&インクルージョン
多様な働き方への支援
従業員一人ひとりの理想とする働き方は、ライフスタイルやライフステージによって、変化するものと考えています。従業員が思い描く多様な働き方を尊重し、その働き方が実現できるように、以下のような各種制度を充実させています。
育児・介護制度
従業員が安心して育児や介護と仕事の両立が図れるように、育児および介護休業制度の取得を容易にし、短時間勤務制度やフレックスタイム制度の導入および、雇用環境の整備に取り組んでいます。2021年3月期には、育児フレックスの利用対象を子どもが小学4年生になるまで延長し、短時間勤務とフレックスタイム制度の併用を可能にするなど、より働きやすい環境になるよう制度を更新しています。また、2024年3月期には男性従業員の育児休業の分割取得制度を整備しました。さらに、2026年3月期には育児・介護休業法の改正に則り、子の看護等休暇の対象となる子を小学校3年生修了までに延長し、取得可能事由に学級閉鎖や入園式、卒園式を追加しました。
2025年3月期の育児休業取得率は、男性73.2%(単体)、女性100%でした。短時間勤務およびフレックスタイム制度の利用者は延べ91名で、女性だけではなく男性の制度利用者も確実に増えています。
定年再雇用制度
長年の業務経験で得た技術や知恵の伝承(継承)、人財活用とともに、従業員の定年後のライフプランを支援するために、62歳の定年後、希望する全ての方を対象として65歳までの1年ごとに再雇用契約する制度を導入しています。2025年3月期の定年再雇用制度利用者は113名でした。
障がい者雇用
当社単体での2025年3月期の障がい者雇用率は2.56%でした。障がい者の適性を考慮し、今後も長期的就労の実現に努めます。
